肺炎対策は脳を含む全身の対策である
　わが国第４位の死因である肺炎の９割以上は65歳以上の老人によって占められている．老人がもつ内因性の原因のため治療が難しいとされ，現代社会がかかえる大きな医療課題として立ちはだかっていた．しかし，最近になって老人の肺炎の機序が解明されるにつれて，肺炎は脳をはじめとする全身の疾患として捉えられ，若年者の肺炎並みに治療可能な疾患となってきている． 　
　 本書は，まず本書の２割をさいて疫学から予防までの臨床上必要な基礎をしっかりと解説している．各論では先頃世界中を震撼させたSARSを含むすべての肺炎疾患を網羅し，それぞれ現在入手できる最新の情報と知見を盛り込み，専門外の臨床家にもわかりやすく解説している． 　
　 肺炎疾患に対する確かな臨床指針としてぜひご購読をお勧めする．