改訂第3版 序
コルポスコピーは,子宮癌など婦人科腫瘍を専門とする医師の更なる熟達はもちろん,専門医を目指す若手医師,実地医家ならびに研修医が習得しなければならない技術であります.
本書は初版から15年を経ましたが,International Federation of Cervical Pathology and Colposcopy(IFCPC)が国際所見分類・用語を変更するたびに,内容の改訂とともに良い写真を付加して改訂で充実を図って参りました.
本書の執筆の意図は,まず初心者や研修途上の方々が入門編を繰り返し読まれることで,基本的事項を独習し実施できることにあります.さらに,応用編では,独習された方々がさらに一層の広い知識を身につけ,また経験者も微小浸潤癌所見や,世界でもなお系統的な文献のない頸部腺癌あるいはサービコスコピーの項目などについて理解を深めて頂けるよう配慮しております.これらを批判しながら実際の臨床所見と対比検討して頂ければ,より深い診断能力が得られるよう企画致しました.
このたび,バルセロナでの第11回IFCPC 学会(2002年6月)で新しい分類が示されました.この改正は1990年のローマ分類が精密・複雑化したことの反省によるもので,今回の分類の簡素化によって,世界の医師がより容易に理解し高い再現性を得ることを意図したものと思われます.日本では,この新分類の検討は始まったばかりでありますが,世界の新しい波を皆様が全面に理解するために,この項目を付け加えました.
本書が皆様のコルポスコピー独習や診断能力向上に少しでも役立てば幸いです.
2004年10月