序 文(虚血心を核で見る)
虚血性心疾患の診断学における核医学の意義は,非侵襲的な検査方法であるのみならず,高い診断精度を有しかつ詳細な病態理解に役立つ点であろう.診断学は疾患の確定診断が基本であるが,虚血性心疾患の場合には疾患の重症度や手術適応の決定のための病態把握が診断にもまして重要な事柄である.核医学的手法は,心筋虚血の範囲,程度の判定のみならず,心筋のバイアビリティの評価が可能であり,心疾患の病態把握のための重要な情報を提供する.(中略)虚血心に限った核医学書も珍しいとおもわれるが,梶谷先生によって内容が斬新でかつ要領良くまとめられており,核医学を理解されるうえで大いにお役に立つであろうと考えている. 2003年3月 南都伸介