妊娠の生物学 目 次

 

第1部 総 論

 1 妊娠成立の比較生理学

  1.生物としてのヒトの生殖のパターン

  2.生殖周期

  3.生殖戦略から見た不完全生殖周期の各タイプ

  4.妊娠相の成立

 2 ヒトと動物の生殖様式

  1.生物と生殖

  2.生殖過程と主要生殖様式

  3.副次的な生殖様式の分類

  4.生殖周期

  5.哺乳類の生殖様式

  6.ヒトの生殖様式

 3 胎盤の病理学

  1.胎盤の肉眼的所見

  2.螺旋動脈

  3.胎盤床へのトロホブラストの侵入

  4.線溶系とくにPAI‐2 の役割について

 4 生命と環境

  1.最近の新聞報道から

  2.歴史的背景

  3.生殖系への影響

  4.ホルモンと内分泌攪乱物質

  5.実験動物およびヒトでの研究例

 5 不妊治療とART

  1.不妊症とは

  2.不妊症一般検査とは

  3.IVF‐ETの実際

  4.妊娠率改善と多胎妊娠の防止

  5.男性不妊の克服に限界はないのか

  6.生殖細胞の凍結保存

  7. OHSS(卵巣過剰刺激症候群)を避けるには

  8.染色体異常と自然淘汰,遺伝子診断,割球の出生前診断

 6 不 育 症

  1.ヒトの生殖のロスはどのような頻度で存在するか

  2.先天性子宮奇形でなぜ流産するのか

  3.ヒト染色体異常と不育症

  4.自己抗体異常はなぜ流産に結びつくのか

  5.母・児の免疫ネットワークの破綻と流産

 7 臍帯血造血幹細胞

  1.臍帯血細胞の生物学的特性

  2.臍帯血移植

  3.臍帯血バンク

 

第2部 生殖細胞・胚

 1 精子の構造とエネルギー源

  1.精子の構造

  2.精子のエネルギー源

 2 Y染色体上の造精関連遺伝子

  1.Y染色体と造精機能異常

  2.AZF領域について

  3.われわれのAZFc領域での検討

  4.単一精子での検討

  5.次世代への微小欠失の移行に関する検討

  6.AZF領域に存在する造精機能に関与する遺伝子

 3 卵の構造と成熟制御機構

  1.未成熟卵の構造と特徴

  2.未成熟卵の減数分裂停止機構

  3.減数分裂の再開機構

  4.減数分裂の進行

  5.減数分裂停止機構

 4 排卵数調節のメカニズム

  1.卵胞発育と排卵に重要な卵胞刺激ホルモンと黄体形成ホルモン

  2.FSHとLHの分泌調節

  3.新しい卵巣ホルモン「インヒビン」

  4.卵胞成熟の情報担体としてのエストラジオール

  5.動物繁殖および生殖医療へのインヒビンの応用

 5 生殖腺の発生,性分化

  1.生殖腺形成,性分化における各体細胞の動態

  2.生殖腺形成,性分化にかかわる遺伝子

 6 生殖機能の中枢性制御機構

  1.GnRHパルスジェネレイター

  2.GnRHサージジェネレイター

  3.脳の性分化

 7 胚の発生調節機構

  1.体外培養による胚発生の制御

  2.培養条件と遺伝子発現

  3.胚ゲノムの活性化

 8 内分泌攪乱物質の生殖細胞・胚への影響

  1.ヒト卵胞液(卵子)への汚染

  2.内分泌攪乱物質と着床前初期胚

  3.胚作用のメカニズム

  4.内分泌攪乱物質の次世代影響

 

第3部 子宮内膜・着床・免疫

 1 子宮内膜機能の局所調節

  1.子宮内膜局所調節因子

  2.性ステロイドホルモンによるIL‐15産生の制御

 2 サイトカインクロストーク

  1.着床とサイトカイン

  2.妊娠維持とサイトカイン

  3.免疫学的立場からみた母子接点の場におけるサイトカインクロストーク

 3 妊娠におけるTh1/Th2バランス

  1.Th1/Th2パラダイムと妊娠

  2.ヒトの妊娠とTh1/Th2

  3.異常妊娠とTh1/Th2

  4.胸腺外T細胞

 4 子宮NK細胞

  1.uNK細胞の分化

  2.uNK細胞と細胞外基質との相互関係

  3.uNK細胞のアポトーシス

  4.流産とuNK細胞

  5.血管新生とuNK細胞

 5 末梢血免疫担当細胞の胚着床促進作用

  1.マウス末梢血免疫担当細胞の胚着床促進作用について

  2.ヒト末梢血免疫担当細胞の胚着床促進作用について

  3.ヒトとマウスの比較

 6 着床とインターフェロン関連遺伝子

  1.母親の妊娠認識の概念

  2.反芻動物における妊娠認識

  3.妊娠認識ホルモンとしてのIFN

  4.IFNτの生理活性と着床期における作用

  5.IFNτ遺伝子の発現制御機構

 7 着床と脱落膜形成

  1.脱落膜形成の準備期

  2.脱落膜形成

  3.材料と方法

  4.結   果

  5.考   察

 8 子宮内膜細胞外マトリックス

  1.細胞外マトリックス(ECM)の構成と子宮内膜ECM

  2.細胞外マトリックス分解酵素

  3.子宮内膜に発現するサイトカインと細胞外マトリックスの改変

  4.着床に伴う細胞外マトリックスの改変調節

 9 不育症における免疫機構

  1.不育症の危険因子とその検査

  2.不育症と自己抗体

  3.不育症と抗リン脂質抗体

  4.不育症と母児間免疫異常

  5.NK細胞活性に影響する心理社会因子と内分泌異常

  6.不育症と夫リンパ球免疫療法

 

第4部 栄養膜細胞・絨毛細胞

 1 栄養膜細胞の分化と制御

  1.栄養膜細胞系列の出現および着床後の胎盤形成過程

  2.栄養膜幹(TS)細胞:新しい栄養膜細胞分化のモデル系

 2 絨毛細胞のアポトーシス調節機構

  1.絨毛性栄養膜細胞の機能発現調節

  2.絨毛栄養膜細胞におけるアポトーシスならびにその関連因子発現の調節

 3 絨毛マクロファージ

  1.絨毛マクロファージの起源

  2.絨毛マクロファージの細胞性格と機能

  3.トロホブラストの増殖と機能発現

  4.絨毛性ゴナドトロピンの摂取と分解

  5.妊娠の異常からみた絨毛マクロファージ

 4 絨毛のHLA抗原

  1.胎盤の構造

  2.HLA抗原と絨毛細胞

  3.HLA‐Gの特徴

  4.HLA‐Gの機能

  5.HLA‐Gと妊娠中毒症

  6.腫瘍とHLA‐G

  7.HLA‐G*0105N

  8.HLA‐C HLA‐Eと絨毛細胞

 5 絨毛細胞表面ペプチダーゼ

  1.細胞表面ペプチダーゼとは

  2.Aminopeptidase A

  3.Neutral endopeptidase

  4.Aminopeptidase N

  5.Dipeptidyl peptidase IV

  6.Placental leucine aminopeptidase/oxytocinase

 

第5部 胎 盤

 1 胎盤におけるIGFの役割

  1.妊娠中のIGF系の動態

  2.胎盤に対するIGF系の作用

  3.胎盤・脱落膜間のIGF調節系

 2 胎盤におけるレプチンの役割

  1.レプチン発見の歴史的背景

  2.ヒト胎盤由来ホルモンとしてのレプチン

  3.胎盤絨毛細胞におけるレプチン産生調節

  4.胎盤由来レプチンの意義

  5.実験動物を用いた妊娠におけるレプチンの作用の解析

 3 胎盤ステロイド代謝酵素

  1.妊娠中エストロゲン生成機序

  2.胎児におけるステロイド代謝酵素の特性

 4 胎盤におけるSuperoxide Dismutase

  1.生殖生理におけるSOD/NOS

  2.妊娠におけるSOD/NOS

 5 胎盤関門における糖輸送

  1.糖輸送と細胞膜の糖輸送体

  2.ヒト胎盤の構造

  3.ヒト胎盤における糖輸送体

  4.ラット胎盤の構造

  5.ラット胎盤における糖輸送機構

 

第6部 分娩・胎児

 1 早産とホスホリパーゼA2

  1.ホスホリパーゼA2

  2.妊娠とホスホリパーゼA2

  3.炎症マーカーとしてのホスホリパーゼA2

 2 ヤギ胎仔を用いた子宮外保育実験

  1.子宮外保育システムの概要

  2.子宮外保育中の胎仔の状況

  3.長期保育実験

  4.実験モデルとしての応用

 3 子宮収縮とオキシトシン

  1.子宮平滑筋の特徴

  2.子宮収縮調節とオキシトシン

  3.陣痛発来とオキシトシン

 4 オキシトシンレセプターの発現調節

  1.分子生物学の導入

  2.オキシトシンレセプターの発現調節研究

 5 オキシトナーゼ

  1.オキシトナーゼの歴史

  2.オキシトナーゼ活性の生化学的特性

  3.妊娠中のオキシトナーゼの動態

  4.オキシトナーゼ遺伝子解析

  5.オキシトナーゼ蛋白組織分布

  6.リコンビナントオキシトナーゼ

  7.オキシトナーゼの新たな展開

 

第7部 ゲノム・クローン

 1 卵母細胞のゲノムインプリンティング

  1.発生からのアプローチ

  2.ゲノムインプリンティングの進行

 2 胎児と胎盤におけるゲノムインプリンティング

  1.胎児と胎盤の生育に関係するインプリンティング遺伝子

  2.絨毛癌とゲノムインプリンティング

  3.Clone とゲノムインプリンティング

 3 マウス体細胞核移植クローン技術

  1.マウス体細胞核移植クローンの成果

  2.マウス体細胞核移植クローンの効率を左右する因子

  3.マウス体細胞核移植クローンの正常性

  4.今後に期待されること

 4 胎盤栄養膜巨細胞形成の分子機構

  1.栄養膜巨細胞の出現と特徴

  2.栄養膜巨細胞の形成における細胞周期の調節

  3.栄養膜巨細胞の倍数性と多糸染色体構造

 

索 引