ハムレットの治療学 目次
第1部 正しい治療情報の選び方
1.治療の情報をどうやって入手するか?
解 説 EBMに必要な医療情報の上手な集め方
討 論
A 悪性腫瘍(乳癌を中心として)
■治療の原則 ■症例呈示
Q:本例の化学療法は果たして有効であったのか?
B 冠動脈硬化 ■治療の原則 ■症例呈示
Q:この症例の冠動脈硬化の治療として,抗生物質治療は有効か?
C 糸球体腎炎 ■治療の原則 ■症例呈示
Q:この患者に対していつ透析導入を開始するか?
2.情報をどう評価するか? この薬の研究成果はどのくらい自分の患者に有用なのだろうか?
一般的事項
A 相反する研究成果をどのように評価するか?
B なぜいまだに妥当な研究成果の評価が速やかに医師の間に一般化し,普及しないのか
討 論
A ジキタリス ■ジキタリスについて ■症例呈示
Q:この例にジキタリスを投与するか?
B テオフィリン ■テオフィリンについて ■症例呈示
Q:この例はテオフィリンを使うか?
C アンジオテンシンII(AII)受容体拮抗薬(ARB)
■ARBについて ■症例呈示
Q:この症例の降圧薬にとってARBを第一選択薬として使うか?
3.治療ガイドラインを自分の患者に実際に適用できるか?
一般的事項 Personal Guideline (P-guideline)のすすめ
討 論
A 気管支喘息 ■治療の原則 ■症例呈示
Q:この例に気管支喘息の治療ガイドラインは実際に適応できるか?
B 急性白血病 ■治療の原則 ■症例呈示
Q:この症例にAML95の治療プロトコールから外れて造血幹細胞移植をすべきか否か?
第2部 正しい治療の選び方
1.まず診断か? それから治療か?
解 説
A 診断と治療とは何か?
B 診断が先だ.診断で治療はおのずから決まる
C 治療が先だ.診断は治ればどうでもよい
討 論
A 一過性の胸痛 ■治療の原則 ■症例呈示
Q:この例にプラセボを処方するか?
B 高血圧 ■治療の原則 ■症例呈示
Q:この例にまず非薬物治療を行い,結果をみて薬物療法を行うか?
C 成人の原因不明熱 ■治療の原則 ■症例呈示
Q:この不明熱に対して副腎皮質ホルモンは用いるべきか?
2.先生,私の治る見込み(医師の治療仮説)はどうですか?
一般的事項 予後を見通す
討 論
A 異型狭心症 ■治療の原則 ■症例呈示
Q:この例の予後の予測は可能か?
B 拡張型心筋症 ■治療の原則 ■症例呈示
Q:この例のβ遮断剤効果と予後予測は可能か?
C 糖尿病性腎症 ■治療の原則 ■症例呈示
Q:この例の予後は可能か?
3.治療方針をどう立てるか?
1 1つの疾患に対する治療法A,B,C・・・と多種類ある場合にこの選択順位をどのようにして決めるか?
一般的事項
A 治療法の選択順位の原則とは何か?
B 治療するか? 否か?
C この順位を自分の患者にどう適用するか?
D プライマリ・ケア
討 論
A インスリン抵抗性糖尿病
■治療の原則 ■症例呈示
Q:この症例にピオグリタゾンを使用するか?
B 慢性関節リウマチ ■治療の原則 ■症例呈示
Q:上記炎症所見の著しい慢性関節リウマチの患者に薬物療法に加え,リハビリテーション療法は行うべきか?
C Helicobacter pylori ■治療の原則 ■症例呈示
Q:この症例にH.pylori除菌治療は必要か?
2 この患者は内科的治療か? 内視鏡的治療か? あるいは外科的治療か?
一般的事項
A 内科的治療と内視鏡的治療とは何か
B 外科的治療とは何か
討 論
A 肝細胞癌に対する内科治療と外科治療 ■治療の原則 ■症例呈示
Q:この症例の肝細胞癌の治療はいかにすべきか?
B 重症不整脈 ■治療の原則 ■症例呈示
Q:この例にまずcatheter ablationを行うか?
C 閉塞性動脈硬化症
■概念と治療の原則 ■治療法選択に関わる基本的知識
■症例呈示(1)
Q:本症に手術治療を選択するか?
■症例呈示(2)
Q:この症例に対して手術療法を行うか,あるいは血管内治療か,また薬物療法で経過をみるべきか?
3 治療の時間 投薬はいつ始めるか? 行うか? 止めるか?
一般的事項
A 時間治療とは何か?
B いつ投薬を始めて,いつ変えて,いつ止めるか?
討 論
A 降圧剤の時間治療 ■治療の原則 ■症例呈示
Q:この例に持続型の降圧剤を用いたとき,投薬時間は同じでよいか?
B 胃酸分泌抑制剤の時間治療
■胃酸分泌抑制剤の時間薬理 ■症例呈示
Q:この例に胃酸分泌抑制剤の時間治療は有効か?
C かぜ症候群の治療
■かぜ症候群の一般的治療 ■症例呈示
Q:この例は外来で治療してよいか?
4 治療の倫理 治療が無効となった状態でも,なお積極的に加療”していくか?
一般的事項
A 生きているとは死んでいないと同じ状態か?
B 治療が無効になった状態のときにいったいとうしたらよいのか?
C リビングウィルと尊厳死
D 脳死と臓器移植
討 論
A 非小細胞肺癌 ■非小細胞肺癌の化学療法 ■症例呈示
Q:この非小細胞肺癌IV期症例になお治療するのか?
B 慢性閉塞性肺疾患 ■治療の原則 ■症例呈示
Q:この離脱できない人工呼吸下でも治療は積極的に行うか?
C 痴 呆 ■治療の原則 ■症例呈示
Q:この症例に薬物投与を続けるか?
4.治療の場
1 この患者は私(当科)や当院の治療で十分か?
解 説
A 治療情報は医師と患者に広く開示されている.必要な情報やその科学的根拠をどうやって探し出すか?
B 患者は治療についてのセカンドオピニオンを求めている.そこで科学的な治療の決定をいかに君が評価し判定するか?
C 治療のリスクと危機管理
討 論
A 急性心筋梗塞症 ■治療の原則 ■症例呈示
Q:この例の初期再灌流療法として前医での血栓溶解療法は妥当であったか?
B 脳梗塞 ■治療の原則 ■症例呈示
Q:この治療は一次救急で十分か?
C エイズ
■治療の原則 ■エイズの基本的知識 ■症例呈示
Q:この症例の診断治療および今後の方針は一般病院で可能か?
2 この患者を外来で治療するか? 入院治療するか?
一般的事項
A 外来治療と入院治療の違い
B 初診時にまず求められる医学的な判断をどう下すか?
討 論
A 肺炎(院外感染)■治療の原則 ■症例呈示
Q:この例は外来で治療してよいか?
B 乳腺症 ■治療の原則 ■症例呈示
Q:この例には日帰り手術をするか?
C 冠動脈狭窄 ■治療の原則 ■症例呈示
Q:この症例は入院させるか?
5.この薬の副作用がこの患者に生ずる危険性はどのくらいと推測しているか?
一般的事項
A 副作用とは何か?
B 副作用が自分の患者で起きる危険性を何で判断するか?
C 副作用に予めどう対処するか?
討 論
A 経口抗がん剤 ■経口抗がん剤について ■症例呈示
Q:この例に経口抗がん剤を処方するか?
B 女性ホルモン剤 ■閉経後の女性ホルモン補充療法 ■HRT使用の実際および問題点
Q:HRTは何歳まで適応になるのか?
Q:乳癌・子宮内膜癌患者および乳癌既往者にHRTは使用可能か?
第3部 治療の限界とその打破
1.この患者の生命予後は予測可能か?
一般的事項 A 死と終末医療
討 論
A 脈と呼吸の異常(交互脈など)
■脈の異常とは ■症例呈示
Q:この脈の異常から死を予測できるか?
B 末期がん患者に対する緩和医療
■緩和医療とは? ■症例呈示
Q:この例にコルチコステロイドを投与するか?
C 慢性心不全 ■治療の原則 ■症例呈示
Q:この患者での6カ月以内の予後は予測可能か?
2.医療コストを下げる治療
解 説
A 国民医療費の特徴とその分析方法
B 医療費の高低を測定する方法
討 論
A 医療保険上使えない良薬−アスピリン−
■アスピリンの効用 ■症例呈示
Q:この狭心症にアスピリンを使用するか?
B 医療経済と外来治療
■日本の医療経済 ■医療費の経済的評価(医療経済分析)■狭心症に対する入院,外来治療 ■症例呈示
Q:この狭心症に冠血流再開は外来で行うか?
3.医療保険適応外の治療と予防
解 説
A 未承認だがエビデンスのある治療とエビデンスのない未承認治療
B 保険上未承認だが有効な予防
討 論
A 勃起不全 ■勃起不全とは ■症例呈示
Q:この症例に対してどのような治療を行うべきか?
B 慢性呼吸不全 ■解説 ■症例呈示
Q:この慢性呼吸不全の例にリハビリは有用か?