I . 頸動脈狭窄症
■ 1 疫 学
1.わが国における無症候性頸動脈狭窄の疫学
2.わが国の脳梗塞患者における頸動脈狭窄の疫学
3.海外の研究にみる頸動脈狭窄の疫学
■ 2 病 因
1.アテローム硬化
2.脳動脈解離
3.大動脈解離の進展
4.高安病
5.線維筋性異形成(FMD)
6.放射線による頸動脈狭窄
7.もやもや病
8.その他の原因
■ 3 症 候
1.一過性脳虚血発作(TIA)および軽症脳卒中
2.頸動脈狭窄症による症候
3.頸動脈狭窄性病変に特徴的な症候
4.眼動脈虚血の症候
5.頭蓋外頸動脈解離に伴う症候
6.まとめ
■ 4 解剖、画像診断
1.頸部の外科解剖
2.大動脈弓の解剖
3.画像診断…18
■ 5 クリニカルエビデンス、治療適応の判断
1.症候性頸動脈狭窄症に対するCEAのエビデンス
2.無症候性頸動脈狭窄症に対するCEAのエビデンス
3.頸動脈狭窄症に対するCEA合併症(stroke and death)のリスクに対する systematic review
4.CEA周術期合併症のリスクについて
5.CASに関するエビデンス
6.治療適応の判断
II . 頸動脈狭窄症の内科治療
1.頸動脈病変の診断
2.頸動脈病変が虚血発作を生じるメカニズム
3.頸動脈病変を伴う一過性脳虚血発作
4.脳梗塞急性期治療と頸動脈病変
5.全身血管リスクとしての頸動脈病変合併患者の評価
6.無症候性頸動脈病変の治療
III . 頸動脈内膜剥離術(CEA)
1.最低限の術前検討必要項目
2.麻酔・術中全身管理
3.体位と術者の位置
4.手術手技
5.術中モニタリング
6.周術期抗血小板療法
7.手術合併症
IV . 頸動脈ステント留置術(CAS)
■ 1 実施基準と教育プログラム
■ 2 CASに必要な術前評価
1) 頸動脈狭窄症に関連する症候学
1.頸動脈雑音(carotid bruit)
2.網膜虚血症状
3.一過性脳虚血発作(TIA)
4.脳梗塞と高次脳機能障害
5.無症候性患者は本当に無症候か—6ヵ月以上経過した症候性病変・無症候性梗塞・ 脳血流低下・狭窄進行例の扱い—
2) 頸動脈狭窄病変(プラーク)の画像診断
1.動脈硬化の進展と不安定プラークの病理所見
2.血管造影による狭窄形態診断
3.超音波検査によるプラーク診断
4.MRIによるプラーク診断
5.CTによるプラーク診断
6.IVUSによるプラーク診断
7.血管内視鏡によるプラーク診断
8.PETによるプラーク診断
9.その他のプラーク診断
10.プラーク診断の問題点と将来
3) CASに必要な脳神経・血管の画像診断
1.頸部MRA・頭部MRAとそのpit fal
2.アクセスルートの評価—術前MD-CTAの重要性—
3.頭部CTとMRI—虚血パターンによる発症機序の推定—
4.脳血流検査
5.Digital subtraction angiography(DSA)と狭窄形態の評価
6.術後拡散強調画像(DWI)
4)全身評価(心臓、大動脈、末梢、腎臓)
1.心疾患の術前評価:冠動脈疾患(狭心症、不安定狭心症、心筋梗塞)
2.心疾患の術前評価:大動脈弁狭窄
3.大動脈、末梢血管、腎動脈の評価
■ 3 CASの基本手技、術中管理、モニタリング
1.穿刺からガイディングシステム留置まで
2.計測とデバイス選択
3.フィルター展開
4.前拡張、ステント留置、後拡張
5.フィルター回収
6.血管内超音波(IVUS)
7.経頭蓋超音波ドプラ法(TCD)
8.止血
9.薬物療法
10.まとめ
■ 4 CAS合併症、トラブルシューティング、応用技術
1) 塞栓症
1.Protection deviceの選択
2.術中塞栓性合併症
3.遅発性虚血性合併症
4.まとめ
2) 過灌流症候群(HPS)
1.概念
2.頻度
3.Powers hemodynamic stage
4.HPSのハイリスク群
5.HPS評価に用いられる検査
6.頸動脈ステント術後HPSの特徴
7.HPSの治療
3) 徐脈、低血圧
1.頸動脈反射
2.徐脈(bradycardia)
3.低血圧(hypotension)
4) 穿刺部合併症、コレステリン塞栓症
1.穿刺に伴う合併症
2.コレステリン塞栓症
5) 治療困難例への対応
1.ガイディングカテーテル留置困難例への対応
2.プラークおよび病変周囲のリスクとその対応
3.塞栓リスクの高いプラーク(vulnerable plaque,high volume plaque)
4.病変部周囲の血管構造に伴うリスク
5.神経学的に不安定要因をもつ症例
6.内科疾患の合併による治療困難の評価とその対応
6) 新しく導入されたCAS関連医療機器
■ 5 術前・術後管理と経過観察
1.術前管理
2.術後管理
3.術後経過観察