● 目 次 ●
T.自殺についての基礎知識
1■自殺の実態:日本と世界の自殺
1.日本における自殺の現状
2.世界の自殺
2■自殺対策基本法
1.わが国の自殺対策の経緯―1998年の急増以前
2.1998年の自殺者数急増後の自殺対策の経緯
3■自殺の危険因子
1.自殺企図歴
2.精神障害の既往
3.周囲から得られるサポートの不足
4.性 別
5.年 齢
6.喪失体験
7.性 格
8.他者の死の影響
9.事故傾性
10.児童虐待
11.身体疾患
4■心理学的剖検
1.心理学的剖検の歴史
2.心理学的剖検の適用
3.日本における心理学的剖検
4.心理学的剖検とポストベンション
U.ライフステージと自殺
1■児童・青年期の自殺
1.青少年の自殺の現状
2.青少年の自殺の特徴
3.青少年の自殺の危険因子
4.青少年の自殺予防の学校での取り組み
5.自殺行動を示す青少年の治療
2■成人期
1.働き盛り世代のうつ自殺予防対策「富士モデル事業」
2.成人期の自殺対策のポイント
3■老年期
1.老年期における自殺の現況
2.老年期における自殺の特徴
3.自殺予防
V.メディカルモデルとコミュニティモデル
1■メディカルモデルとコミュニティモデル
1.諸外国の自殺対策の構造
2.わが国の自殺対策と国内の代表的取り組み
3.まとめ
2■コミュニティメンタルヘルスと自殺予防
1.米国および英国のコミュニティメンタルヘルスの発展と自殺予防
2.わが国のコミュニティメンタルヘルスの発展
3.まとめ―草の根的取り組みに自殺予防を学ぶ
3■精神科医療と一般医療の連携
1.自殺と精神障害
2.自殺予防と医療
3.一般医におけるうつ病診療
4.一般医と精神科医との連携
W.プリベンション
1■地域における自殺予防教育
1.行政からの取り組み
2.特色ある取り組み
3.評価について
2■学校における自殺予防教育
1.自殺予防教育の実際
2.自殺予防教育の必要性
3.自殺予防のための日常的取り組み
3■職場における自殺予防教育
1.労働者の自殺に関する現状と背景
2.「労働者健康状況調査」の結果からみた職場のメンタルヘルス対策の現状
3.労働者のメンタルヘルスに関するわが国の動向
4.予防教育の実際
4■自殺予防教育の適用と限界
1.教育目的
2.対 象
3.教育の時期
4.教育内容
5.一般的な対処法
6.教育のその他の効果
7.これまでの研究による知見
X.インターベンション
1■自傷と自殺のアセスメントとマネジメント
1.自傷・自殺をどう捉えるか
2.自殺企図のアセスメントとマネジメント
3.自傷のアセスメントとマネジメント
2■救急の場におけるインターベンションの原則と実際
1.救急の現場と自殺未遂者とのかかわり
2.自殺未遂者の傾向と特徴
3.救急外来、初療での対応
4.入院後のインターベンション
5.身体治療終結に際して
6.精神科医と救急医療そして自殺予防
3■自殺の危険の高い患者に対する長期治療
1.治療の原則
2.外来治療
3.入院治療
4.長期フォローアップ
4■自殺の危険の高い患者への精神療法の原則
1.自殺の危険の疑われる患者の精神療法の原則
2.自殺を防ぎ切れなかった場合の遺族とスタッフへの心のケア
Y.ポストベンション
1■遺された人(遺族・知人)の反応
1.悲嘆反応とプロセス
2.自殺によって遺された人の悲嘆
3.自殺における主体性の問題
2■遺された人々のケア
1.遺された人々の問題
2.ポストベンションの目的
3.個人に対するポストベンション
4.集団に対するポストベンション
5.実際にポストベンションを行ってみて
3■子どもの自殺とCRT
1.学校危機とCRT
2.CRTの活動
3.CRTの特徴
Z.トピックス
1■群発自殺
1.群発自殺の定義
2.フィクションが誘発した群発自殺
3.実際の自殺が引き起こした群発自殺:アイドル歌手の自殺と群発自殺
4.マスメディア報道と群発自殺:ウィーンの地下鉄の自殺と報道ガイドライン
5.報道の在り方…232
2■マスメディアと自殺報道
1.自殺報道
2.秋田県で
3.ペンを持つ仲間たちへ
3■インターネットと自殺
1.インターネットが自殺に及ぼす影響
2.インターネットによる自殺防止
4■いのちの電話における自殺予防
1.いのちの電話と自殺予防学会の成立
2.メール(インターネット)相談の特性
3.インターネット相談の特質
4.危機介入の実際
5■過労自殺
1.過労自殺の原因
2.医師の過労自殺
3.過労自殺をなくそう
6■多重債務と自殺
1.なぜ多重債務で自殺するか
2.なぜ死を選ぶのか
3.孤独な父親
4.苛烈な取り立て
5.解決の処方
6.まとめに代えて
7■自殺予防と法制度
1.自殺対策基本法
2.自殺関与罪
8■マイノリティと自殺
1.民族的マイノリティと自殺
2.性的マイノリティと自殺
9■自殺行動に関する精神生物学的研究
1.ゲノムと個体の多様性
2.自殺行動の精神生物学的背景
3.自殺行動とパーソナリティ
4.セロトニン神経系に着目した研究
5.セロトニン神経系以外に着目した研究
10■自殺予防対策の政策決定プロセス
1.日本政府による自殺対策の流れ
2.自殺総合対策大網策定の過程と枠組み
3.エビデンスを重視したニュージーランドの自殺対策戦略の策定過程と枠組み
4.公衆衛生学的な手法を重視した米国の自殺対策戦略の枠組み
5.わが国の自殺総合対策大網とニュージーランドおよび米国の自殺予防戦略の比較
6.日本の自殺対策活動の政策立案にあたっての提案
11■自殺予防に携わる援助者の支援体制
1.自殺予防に携わる援助者の困難
2.教育・研修と情報交換
3.事後対応―遺された人としての支援者
4.支援者への直後の対応―情報共有とケアの手順をあらかじめ準備する
5.振り返りの機会
6.支援者の支援体制