女性の頻用漢方イラストレイテッド

著 者
著:川口 惠子
￿￿￿(川口レディースクリニック 院長)
発行年
2008年6月
分 類
東洋医学 薬物療法
仕 様
B5判・200頁・91図
定 価
(本体 2,800円+税)
ISBN
978-4-8159-1805-7
特 色
 楽しいイラスト処方集
 女性の患者さんへ処方する漢方薬を説明するときに,親しみやすいイラストと一処方を見開きで解説した便利な漢方薬処方集.
 女性に頻用される91の処方をピックアップし,左ページにイラスト,右ページには方剤の出典,構成や腹・脈・舌候,使用目標,適応疾患の解説を見開き表示し,忙しい外来での患者さんとのコミュニケーションを円滑にしてくれる非常に便利なビジュアルテキストです.
 イラストは著者が自分の手で描いた証をイメージした女性のイラストで,女性の患者さんを対象にした親しみやすい魅力的なイラストを掲載.難しい漢方処方の世界をコミカルに表現しています.
 女性にとってこれからますます重要度がましてゆく漢方療法での,患者さんとのコミュニケーションアイテムとしてもぜひお手元においていただきたい一冊です.

●序  文●

 誰にでも他の人からみればバカバカしいと思われるような情熱に取りつかれることがあります。私も2年ほど前から漢方薬のイメージにあう女性を描き分けてみたいという情熱に取りつかれてしまいました。毎日の外来で漢方薬を処方するとき、患者さんに高山宏世先生の「漢方常用処方解説」を見せて処方した薬の説明をするのが常でした。いつもその本を使用するので、ボロボロになって今の本で3代目です。高山先生の本はイラストが入っていて患者さんへの説明に使いやすいのですが、なかにはちょっと女性には受けないようなイラストがあります。例えば黄連解毒湯は禿げ頭のおじさんで、釣藤散は気難しそうなお爺さんだったりするので、もう少し女性に親しみやすいものにできないかとずっと思っていました。漢方薬の証にあった、しかもオシャレで患者さんにアピールするような女性を自分の手で描きたいと願うようになりました。けれど本格的な絵画のレッスンなど全く受けたことのない私が人に見せられるような絵など描けるはずがありません。そこで古くからの知人、漫画家の中垣 慶先生にご指導をお願いしたところ快く引き受けて下さいました。彼女の丁寧な指導がなければ、学生時代に授業中先生の目を盗んで漫画を描いたくらいしか経験のない私にはとてもできないことでした。
 この2年間は少女漫画やファッション雑誌を読みあさり、漢方薬の証にふさわしい女性のイメージを考えました。電車の中では乗客を観察してモデルを探しました。そして診療の隙間時間にコンピューターにかじりついて絵を描きました。情熱に取りつかれた時間は楽しく過ぎて気がつけば 91 例のイラストが溜まっていました。筆力不足によりイメージどおりには描けませんでしたが。
 2年も費やしたのだから患者さんへの説明用にイラスト入りパンフレットのようなものを作ろうと考えました。左ページにイラスト、右ページに漢方薬の構成や効能を書いておけば忙しい外来時でも使いやすいでしょう。右ページの内容は高山 宏世先生の「漢方常用処方解説」、長谷川 弥人先生、大塚 恭男先生、山田 光胤先生、菊谷 豊彦先生の「漢方製剤 活用の手引き」、寺澤 捷年先生の「症例から学ぶ和漢診療学」などを参考にしました。特に目標については「漢方製剤 活用の手引き」から多くを引用させていただきました。
 イラストについてはもっとこうしたほうが薬のイメージに合うのではといった感想を頂ければ嬉しく思います。また内容についても浅学の身、多々間違いもあると思われますのでご指摘頂ければ有難いです。そして皆様が患者さんといっしょにこの本を見て楽しんで笑って頂ければ何よりです。
 最後にメカに弱い私にコンピューターグラフィックスを初歩から指導して下さった中垣 慶先生、漢方を教えて下さった玄和堂診療所院長 寺師 睦宗先生、近畿大学医学部東洋医学研究所 新谷 卓弘教授に心より感謝申し上げます。

2008年5月
川 口 惠 子

■ 主要目次

1 /安中散(あんちゅうさん)
 2 /温経湯(うんけいとう)
 3 /温清飲(うんせいいん)
 4 /越婢加朮湯(えっぴかじゅつとう)
 5 /黄連解毒湯(おうれんげどくとう)
 6 /■根湯(かっこんとう)
 7 /加味帰脾湯(かみきひとう)
 8 /加味逍遙散(かみしょうようさん)
 9 /甘麦大棗湯(かんばくたいそうとう)
10/桔梗湯(ききょうとう)
11/■帰膠艾湯(きゅうききょうがいとう)
12/■帰調血飲(きゅうきちょうけついん)
13/荊芥連翹湯(けいがいれんぎょうとう)
14/桂枝加芍薬大黄湯(けいしかしゃくやくだいおうとう)
15/桂枝加芍薬湯(けいしかしゃくやくとう)
16/桂枝加朮附湯(けいしかじゅつぶとう)
17/桂枝加竜骨牡蛎湯(けいしかりゅうこつぼれいとう)
18/桂枝湯(けいしとう)
19/桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)
20/香蘇散(こうそさん)
21/五積散(ごしゃくさん)
22/牛車腎気丸(ごしゃじんきがん)
23/呉茱萸湯(ごしゅゆとう)
24/五苓散(ごれいさん)
25/柴胡加竜骨牡蛎湯(さいこかりゅうこつぼれいとう)
26/柴胡桂枝乾姜湯(さいこけいしかんきょうとう)
27/柴胡桂枝湯(さいこけいしとう)
28/柴朴湯(さいぼくとう)
29/柴苓湯(さいれいとう)
30/三黄瀉心湯(さんおうしゃしんとう)
31/酸棗仁湯(さんそうにんとう)
32/三物黄■湯(さんもつおうごんとう)
33/滋陰降火湯(じいんこうかとう)
34/四逆散(しぎゃくさん)
35/四君子湯(しくんしとう)
36/四物湯(しもつとう)
37/炙甘草湯(しゃかんぞうとう)
38/芍薬甘草湯(しゃくやくかんぞうとう)
39/十全大補湯(じゅうぜんたいほとう)
40/十味敗毒湯(じゅうみはいどくとう)
41/潤腸湯(じゅんちょうとう)
42/小建中湯(しょうけんちゅうとう)
43/小柴胡湯(しょうさいことう)
44/小青竜湯(しょうせいりゅうとう)
45/小半夏加茯苓湯(しょうはんげかぶくりょうとう)
46/消風散(しょうふうさん)
47/参蘇飲(じんそいん)
48/真武湯(しんぶとう)
49/清暑益気湯(せいしょえっきとう)
50/清心蓮子飲(せいしんれんしいん)
51/清肺湯(せいはいとう)
52/川■茶調散(せんきゅうちゃちょうさん)
53/疎経活血湯(そけいかっけつとう)
54/大黄甘草湯(だいおうかんぞうとう)
55/大黄牡丹皮湯(だいおうぼたんぴとう)
56/大建中湯(だいけんちゅうとう)
57/大柴胡湯(だいさいことう)
58/大防風湯(だいぼうふうとう)
59/竹■温胆湯(ちくじょうんたんとう)
60/釣藤散(ちょうとうさん)
61/猪苓湯(ちょれいとう)
62/通導散(つうどうさん)
63/桃核承気湯(とうかくじょうきとう)
64/当帰飲子(とうきいんし)
65/当帰建中湯(とうきけんちゅうとう)
66/当帰四逆加呉茱萸生姜湯(とうきしぎゃくかごしゅゆしょうきょうとう)
67/当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)
68/二朮湯(にじゅつとう)
69/女神散(にょしんさん)
70/人参湯(にんじんとう)
71/人参養栄湯(にんじんようえいとう)
72/排膿散及湯(はいのうさんきゅうとう)
73/麦門冬湯(ばくもんどうとう)
74/八味地黄丸(はちみじおうがん)
75/半夏厚朴湯(はんげこうぼくとう)
76/半夏瀉心湯(はんげしゃしんとう)
77/半夏白朮天麻湯(はんげびゃくじゅつてんまとう)
78/白虎加人参湯(びゃっこかにんじんとう)
79/防已黄耆湯(ぼういおうぎとう)
80/防風通聖散(ぼうふうつうしょうさん)
81/補中益気湯(ほちゅうえっきとう)
82/麻黄湯(まおうとう)
83/麻黄附子細辛湯(まおうぶしさいしんとう)
84/麻杏甘石湯(まきょうかんせきとう)
85/麻子仁丸(ましにんがん)
86/抑肝散(よくかんさん)
87/六君子湯(りっくんしとう)
88/竜胆瀉肝湯(りゅうたんしゃかんとう)
89/苓姜朮甘湯(りょうきょうじゅつかんとう)
90/苓桂朮甘湯(りょうけいじゅつかんとう)
91/六味丸(ろくみがん)

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