すぐに役立つ 消化器画像用語事典
- 編 集
- 編集:佐野 幹夫
- (医療法人豊田会刈谷豊田総合病院放射線技術科部長)
西川 孝
- (医療法人尚豊会四日市健診クリニック健診業務課長)
- 発行年
- 2007年9月
- 分 類
- 画像医学・超音波医学 消化器一般
- 仕 様
- A5判・196頁・図115・写真160・表11
- 定 価
- 定価 4,410円(本体 4,200円+税5%)
- ISBN
- 978-4-8159-1792-0
- 特 色
- 本書はカンファレンスや症例検討,研究会などで,初学者や学生,画像診断部門の看護師や放射線技師をはじめとする医療従事者が,専門化し細分化する画像診断領域の用語を効率よく理解できることを目的としている.精度の高い診断情報を共有化しモダリティ間の連携を目指して作成された画像用語事典である.
本書の構成は総論として腹部領域の対象臓器の解剖,所属リンパ節の名称を取り扱い,各論としてX線,US,CT,MR,RI,PET検査などを取りあげ,各モダリティと臓器別に,@装置,関連機器,造影剤などの基礎的事項に関する用語,A検査手技やアーチファクトに関する用語,B各種検査で得られる所見,について図表や写真を多用して,実にきめ細かく解説している点に特徴がある.
- (本書<推薦のことば>より)
初学者が専門外の用語を理解し修得するための用語集として,ぜひどこへでも携帯し活用していただきたい.
序 文
現在(21世紀)の医療技術の進歩は、世の中のIT化による技術革新のスピードとも相俟って一瞬たりとも立ち止まることはなく日々進化している。特にわれわれの画像診断領域は技術革新が顕著で高度な発達をしており、CT装置は多列化し、臨床利用では今や64列が当たりまえとなっており、ホーム・ドクターとされる一般開業医でも4列や16列のMDCTが購入されている。おそらくこの書籍が発売され1年も経たないうちにCTは256列が臨床的に標準使用されていることが推測できるし、MRIも当然3Tの時代を迎えているであろう。
このように高度化した医療技術(画像診断)は、一方でわれわれ医療従事者に膨大な量の情報を与えることになった。しかし、高度化された医療情報であってもスピード化された現代医療の中では、その情報は迅速に処理されなければならず、与えられた情報はその量に関係なく、即座に伝達され的確に判断されることが要求されている。
そのため多くの施設では、膨大な量の高度な医療情報とその処理のスピードに対応すべく、診療科ごとに細かく専門分野が分化され、診療科目ごとの知識と技術の情報をより集約して教育訓練することが進んでいる。画像診断においても各々の装置(モダリティ)で専門化された組織と管理が構築され画像診断全般という総合的な教育ではなく、CT、MR、US、RIといった細分化された組織とそれに合わせた教育訓練が実施されている。
特に規模の大きな医療機関ほどその傾向は顕著で、同じ装置(モダリティ)であっても何台もの装置を有することから、各々の装置が診療科目別で特化した使用がなされ、それに携わる放射線技師をはじめとする医療従事者自身も細分化し専門的な知識を求められることにより、専門的知識には優れているが、専門外の知識については門外漢となってしまうケースは決して珍しくなくなってきている。また、担当する装置(モダリティ)の専門的な知識には詳しいが、同じ疾患、同じ診療科目であっても専門外の装置での疾患知識はまったくわからないといったこともあり得、同一疾患における装置(モダリティ)間での描出の違いや所見、疾患による装置(モダリティ)間同士の長所と短所についての知識取得も不十分であることは少なくない。
われわれはこのような高度化された医療(画像診断)技術の時代背景と専門性の細分化された時代背景を考えたうえで、今回敢えて各専門分野の間をつなぎ合わせるための一助となるように消化器領域で用いられる画像診断の用語について解説集を作成し1冊にまとめることを企画した。
この企画が誕生した背景は、2006年に開催した第18回日本消化器画像診断情報研究会総会にある。その折に企画運営に携わった東海地区で活躍する各パートの専門家(超音波、CT、MR、RI、消化管検査)である各々の責任者が、単に全国大会というお祭り騒ぎだけの企画運営に終わるのではなく、これからの画像診断を取り巻く環境をみんなで考えて再構築するために再度集まり企画したものである。
カンファレンスや症例検討、研究会といった場所で専門以外の知らない用語が、簡単に手っ取り早く理解できることを目指して、図表も用いながら各々の用語の基本的な意味についてまとめた。全体として基本的な部分の網羅を心がけたため専門用語集としては抜け落ちている用語が多数あることは承知している。われわれは、この書籍を専門家の用いる専門書としては位置づけておらず、医療に従事する初学者や学生、画像診断部門に携わる看護師や各自の専門分野以外の医療者が用いる初歩としての用語集として活用して頂けることを目指したものであり、より専門的な解説については成書をお読み頂ければ幸いである。
2007年9月吉日
西川 孝
■ 主要目次
I.解 剖
1.解剖図譜
II.画像診断用語
1.X線検査
1.装置・関連機器に関 する用語
2.検査手技に関する用語
3.所見用語
2.超音波検査
1.基礎用語
2.検査手技に関する用語
3.所見用語
3.X線CT検査
1.基礎用語
2.所見用語
付録 消化管領域に用いる用語
4.MR検査
1.MRIの基礎
2.腹部領域における基本撮像法
3.理論・装置・機器などの基本用語
4.アーチファクトの基本用語
5.検査手技に関する用語撮像シーケンス名
6.撮像関連用語
7.MRI造影剤
8.画像所見用語
9.MR用語比較表
10.MRシーケンス比較表
11.略語
5.RI・PET検査
1.機器などの基本用語
2.臨床関連/用語
6.病理検査
1.病理検査・臨床検査 学に関する基礎用語
2.病理組織学・病態学・分子病理学に関する基礎用語