よくわかって役に立つ最新栄養予防・治療学


よくわかって役に立つ最新栄養予防・治療学
著 者
編集:武田英二(徳島大学大学院 教授)
著 者
編集:長谷部正晴(長汐病院 院長)
発行年
2007年1月
分 類
栄養・食療法・輸液・輸血
仕 様
B5判
定 価
定価 9,975円(本体 9,500円+税5%)
ISBN
978-4-8159-1775-3
特 色
 栄養管理が必須とされる開業医,勤務医,研修医,さらにニュートリション・サポート・チーム(NST)で栄養管理に携わっている管理栄養士,薬剤師,看護師など,疾病や合併症の予防や治療に努力されている医療人に必要な栄養管理の情報および具体的方法についてまとめ,その力を十分に発揮するための最新指導書.
栄養管理を通した患者や家族,各医療関係者,また事務部との信頼関係の確立やコミュニケーションに,効率的な診療,病院経営などに役立つ良書である.


序   文

疾患に対する予防や治療の基盤として食事、経腸栄養、経静脈栄養をはじめとする栄養管理は非常に重要である。臨床で適切な栄養管理を実践することにより、治癒の促進、合併症の低減、入院期間の短縮、医療費の抑制が可能とされている。さらに日常生活での栄養管理は健康の保持や増進、さらには生きがいや生活の質(QOL)をより高く保つために重要である。しかし、日常診療で疾患を管理し治療する際に、薬物治療に対しては常に注意が向けられているが、適切な生活指導、特に栄養管理については十分に指導されているとはいえない。栄養管理が不十分であれば薬物療法や手術療法の効果は十分に発揮されないと考えられる。これらの理由として、栄養管理による予防と治療に重点をおいた臨床現場で具体的に役に立つ情報が少ないことが理由と考えられた。
そこで、必ずしも臨床栄養管理の専門家ではないが栄養管理が必須とされる開業医、勤務医、研修医、さらにニュートリション・サポート・チーム(NST)で栄養管理に携わっている管理栄養士、薬剤師、看護師など、疾病や合併症の予防や治療に努力されている医療人に必要な栄養管理の情報および具体的方法についてまとめた。

まず、食生活、予防・ライフステージ・ライフスタイルの項目では栄養教育、生活習慣病予防についてまとめた。予防や教育・アドバイスに活用して頂きたい。臨床栄養管理の総論として、栄養アセスメント、栄養補給法、NST、在宅静脈経腸栄養、Immunonutrition、栄養療法と医療経済という医師にとっては取っつきにくい項目を、わかりやすく簡潔にまとめた。各論では中枢神経疾患・栄養性疾患、消化器疾患、呼吸器・循環器・腎疾患、代謝性疾患、血液・免疫疾患、外科栄養管理について、具体的な栄養管理の方法や活用できる製品についてまとめた。

本書の特徴として各項目の冒頭に「まとめ」を掲載した。これを見れば読者は対象者へワンポイント・アドバイスを与えることができる。そのうえで、病態と栄養管理についての方針と考え方、処方箋・栄養処方を含む栄養治療・栄養管理法、日常生活管理法として、具体的な方法や商品を示した。本書は、理論よりも実践を重視するとともに、各疾患の治療ガイドラインに沿った管理法を提示した。

各領域専門家の総力を挙げてまとめた本書の活用法として、外来通院者への食事や生活のアドバイス、入院症例に対する治療食の指示、管理栄養士との連携、日常診療の際に対応が必要とされる疾病での栄養管理の臨床的意義への理解などが考えられる。栄養管理を通した患者や家族、各医療関係者、また事務部との信頼関係の確立やコミュニケーションにも有用で、効率的な診療、病院経営、などに役立てて頂ければ望外の喜びである。

平成19年1月吉日
武田 英二
長谷部正晴

■ 主要目次




CHAPTER 1
食生活、予防・ライフステージ・ライフスタイル

1. 栄養教育
 A. 食事・献立について
 B. 食品交換表
 C. 日本人の食事摂取基準(2005年版)
 D. 健康食品・サプリメント
2. 生活習慣病予防
 A. ライフステージ
 B. ライフスタイル
 C. ストレスと栄養

CHAPTER 2
総 論

1. 栄養アセスメント
2. 栄養補給法
 A. 投与ルート選択のアルゴリズム― A.S.P.E.N. のガイドラインに準じて
 B. 経腸栄養
 C. 経腸栄養剤
 D. 静脈栄養法
 E. 静脈栄養製剤
3. NST
4. 在宅静脈経腸栄養(HPEN)
5. Immunonutrition
6. 栄養療法と医療経済

CHAPTER 3
各 論

1. 中枢神経疾患・栄養性疾患
 A. 摂食・嚥下障害
 B. 食欲不振、拒食症(神経性食欲不振症)
 C. 栄養不良
2. 消化器疾患
 A. 消化性潰瘍(胃潰瘍、 十二指腸潰瘍、食道潰瘍)
 B. 腸疾患
 C. 膵炎(急性膵炎、慢性膵炎)
 D. 肝臓・胆嚢疾患
3. 呼吸器・循環器・腎疾患
 A. 呼吸器疾患
 B. 循環器疾患
 C. 腎疾患
4. 代謝性疾患
 A. 糖尿病
 B. 合併症を有する糖尿病
 C. 高脂血症
 D. 肥満症
 E. 痛風
 F. 先天性代謝異常症
 G. 内分泌疾患
 H. 骨疾患
5. 血液・免疫疾患
 A. 血液疾患
 B. 免疫疾患
6. 外科栄養管理
 A. 周術期
 B. 集中治療
 C. 熱傷
 D. 頭部外傷
 E. 癌患者の栄養管理

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