よくわかる超音波検査入門講座
- 著 者
- 編集:佐久間 浩 株式会社ソノグラファーズ
- 著 者
- 編集:桑島 章 PL東京健康管理センター健診部
- 発行年
- 2006年8月
- 分 類
- 画像・超音波医学
- 仕 様
- B5判
- 定 価
- 9,240円(本体 8,800円+税5%)
- ISBN
- 4-8159-1762-0
- 特 色
- 超音波検査を始めたら,まずはこの一冊!!
超音波検査の普及と高度化により多様化した診断体系の中で,狭い領域を深く掘り下げた専門家のための解説書が多いが,超音波検査を任せられた初心者にとっては有効とはいえない.
本書は「超音波検査を任された者がとりあえず最初に手元におきたい一冊」を目指している.「基礎」では超音波診断装置製造各社の技術者を,「臨床」では各領域の超音波検査の第一人者を執筆陣に迎え,「超音波の達人」から直接指導をうけるごとく,超音波検査の根幹となる基礎 から応用までの知識を過不足なく学べる教科書である.
これから超音波検査を始めようとする医師・技師にとって,その第一歩を後押ししてくれる教科書として,ぜひ常備して頂きたい一冊である.
序 文
超音波検査が世に広く浸透し,市民権を得るようになって久しい。かつて,超音波検査は一部の限られた専門家のものであった。超音波を愛するこれらの研究家は,装置の向上とともに,自らの腕を磨き,臨床経験を蓄積していった。すなわち,その時代の最先端の装置のもつ力をフルに引き出し,それを診断に役立てていった。しかし近年では,それまで超音波に縁のなかった職場にもその装置が運び込まれることになり,突然その使命を与えられた方々の多くは,達人といわれた先人に直接指導を受けることもなく,独学を余儀なくされている。超音波従事者全体に対する初心者の割合が高まることにより,一部の最先端の臨床家の間では確実に進化し続けている超音波診断学も,平均レベルとしては,必ずしも向上してはいないように感じることすらある。
また,かつての超音波専門書は,音響の基礎から各科臨床内容までがコンパクトにまとめられているものが多かった。しかし近年では,多様化した診断学は,狭い領域のそれぞれに対して深く掘り下げられたマニアックな内容のものが多くなってきた。ここにきて,超音波を学ぶうえで根幹となる知識が過不足なくまとめられた「教科書」の必要性が改めて感じられた次第である。本書は「超音波検査を任された者がとりあえず最初に手元におきたい1冊」を目指した。まずは広く浅く超音波の世界全体を俯瞰していただきたいと思う。執筆者は,それぞれの専門分野で活躍する第一人者である。基礎は超音波診断装置製造各社の技術陣に,そして臨床は各領域において過去に数多くの発表・執筆を重ねてきた一流の超音波検査士の皆さんにお願いした。「超音波の達人」を目指す多くの方々にとって,その一歩を後押しできるものになれば幸いである。
2006年8月
佐久間 浩
桑島 章
■ 主要目次
第1章 基 礎
1 超音波の物理的特性
1.音の伝わり方
2.音の伝わる速さ
3.音の周波数
4.音の波長と連続波,パルス波,周波数帯域
5.音圧
6.音の反射,透過,屈折
7.音の減衰,散乱
8.干渉
9.音場特性
10.分解能
11.ドプラ効果
2 探触子
1.超音波の発生・検出
2.探触子の構造
3 超音波診断装置
1.パルス反射法
2.Bモード
3.スキャン方法
4.フォーカス法
5.アーティファクト
6.デジタル超音波技術
7.パルスドプラ
8.カラードプラとパワードプラ
9.ハーモニックイメージングの原理
4 装置の操作運用
1.画像の表示と記録
2.画像ファイリング
3.安全性
4.装置の維持管理
第2章 臨床:部位別の超音波検査
1 体表臓器
1.甲状腺
2.副甲状腺
3.唾液腺
4.頸部リンパ節
5.遺残嚢胞
6.頸部血管
7.乳房
2 消化器・泌尿器
1.肝臓
2.脾臓
3.胆嚢
4.胆管
5.膵臓
6.腎臓・尿管
7.副腎
8.膀胱
9.前立腺
10.精嚢腺
11.精巣
12.消化管(食道〜直腸)
13.急性腹症
14.腹部リンパ節
3 血管(腹部・四肢)
1.腹部大動脈
2.四肢動脈
3.下肢静脈>