これだけは知っておきたい飲食物と薬の相互作用
- 著 者
- 編著:藤村 昭夫(自治医科大学 教授)
- 発行年
- 2006年6月
- 分 類
- 薬学一般
- 仕 様
- A5判
- 定 価
- 1,890円(本体 18,00円+税5%)
- ISBN
- 4-8159-1756-6
- 特 色
- 近年,まれな症例ではないと認識されるようになった薬と食物相互の有害反応について,第1部で薬物相互作用の基礎を,第2部で16の飲食物を取り上げ,それぞれ薬との相互作用に関する臨床例を示し,相互作用の機序,使用上の注意,服薬指導を解説する.日々の診療のなかで薬を有効にかつ安全に使用するためにぜひもっておきたい情報源.
序 文
1998年、米国医師会雑誌(JAMA)に薬の有害反応に関する衝撃的な論文が掲載された。それによると、1994年に薬の有害反応で死亡した患者数は10万6,000人、重篤な有害反応が出現した患者数は221万6,000人、と報告されている。これらはあくまでも推計値ではあるが、臨床の場で重篤な有害反応が数多く出現していることを示すものである。一方わが国では2001年に厚生労働省に全国の医療機関から自主的に報告された薬の有害反応報告数は2万6,545件であり、そのうち死亡例は1,239件であった。したがって、わが国でも薬の有害反応は稀なものではなく、なお一層の薬の適正使用が望まれる。
本書では、第T部で薬物相互作用の基礎をまとめ、次いで第U部で16の飲食物を取りあげ、それぞれの飲食物と薬との相互作用に関する臨床例を示し、相互作用の機序、使用上の注意および服薬指導の内容についてまとめた。
薬を有効に、かつ安全に使用するためには、飲食物と薬の相互作用の存在を常に念頭におく必要がある。本書が飲食物・薬物間相互作用の情報源として活用され、薬の適正使用の推進に役に立てば望外の喜びである。
最後に、本書を書き終えるまで辛抱強く待って頂きました永井書店の高山静編集長に厚く御礼申し上げます。
2006年6月吉日
藤村 昭夫
■ 主要目次
I 総論 薬物相互作用の基礎
II 各 論
第1章 グレープフルーツジュースと薬
第2章 ハーブと薬
I.セントジョンズワートと薬との相互作用
II.グリチルリチン(Licorice、甘草)と薬の相互作用
III.ガーリック(Garlic)と薬
IV.イチョウ(Ginkgo)と薬
V.チョウセンニンジン(Ginseng)と薬
VI.Kavaと薬…37
VII.Lycium barbarum L. と薬
VIII.エフェドラ(Ephedra)と薬
IX.ユビデカレノンと薬
X.イプリフラボンと薬
IX.Don quai、boldo-fenugreekおよびpapaya抽出物と薬
XII.lspaghula huskと薬
XIII.ハーブと薬のまとめ
第3章 緑茶と薬
第4章 タバコと薬
第5章 カフェイン含有食品と薬
第6章 アルコールと薬
第7章 ビタミンと薬
I.ビタミンA
II.ビタミンB6
III.ビタミンB12
IV.ビタミンC
V.ビタミンD
VI.ビタミンE
VII.葉酸
VIII.ビタミンK
IX.使用上の注意
X.服薬指導
第8章 カルシウム、マグネシウムおよびアルミニウムと薬
第9章 カリウム含有食品と薬
第10章 炭火焼き食品と薬
第11章 モノアミンおよびヒスタミン含有食品と薬
第12章 セロトニン含有食品と薬
第13章 日本食と薬
第14章 酸性飲料と薬
第15章 脂肪と薬
第16章 一般用医薬品(OTC薬)と他薬