平成16年4月27日付けで厚生労働省からの指針(老老発第0427001号)が出され,40歳台女性へのマンモグラフィ検診の導入がなされました.本邦における日本の乳癌検診がさらに変化・進化しようとしております.また,4月25日には,「マンモグラフィガイドライン」の改正もあり,マンモグラム読影の仕方にも多少の変更がありました.このアトラスが出版されてから2年余りですが,本書においても新しいマンモグラフィガイドラインに従った記述変更を行うとともに,本書の特徴である後半のアトラス部分の基礎編,応用編,特別編について大幅な症例入れ替えを行いました.アトラス部分では,画像,イラスト,所見,カテゴリー分類,年齢などを記載し,所見には可能な限りの病理所見を付記しました.さらに,症例を読影する上でのヒントを加え,応用編,特別編についてはモニター画面による読影可能とするためにCD‐ROMに収録して読者に提供することとしました.
今後,マンモグラフィ検診を推進する上では,習熟した放射線技師の撮影による良質なマンモグラムと習熟した医師による正しい読影が求められます.本書が,マンモグラフィ読影を学ぶ研修医や放射線技師など,さらには本邦の乳癌検診に携わる人々にとって役立ち,ひいてはわが国の乳癌検診の死亡率の減少に役立てれば幸いであります.