自殺の問題を読者と共有し,その病理と予防のための方策を理解し,
それを現場で実践する
自 殺 企 図
その病理と予防・管理

【本書の構成】
 ■疫学的分析:わが国の自殺の現状を正確に把握.その数は年間3万人を超え,交通事故による死亡者数よりも多いという深刻な状況を呈している.
 ■世代別の考察:世代間では自殺の頻度,引き金となる因子,背景をなす精神障害等は当然異なる.その事を踏まえ,児童・思春期,青年期,壮年期,高齢者毎にその傾向と対策を解説する.
 ■精神障害・人格障害:自殺の背景をなす精神障害,人格障害についてまとめる.アルコール依存症等もこれに含まれる.
 ■身体疾患:がん患者の自殺等,身体疾患が動機となる自殺を取り上げた.
 ■自殺が起こる場:一般病棟での自殺,精神科病院での自殺,ターミナルケアにおける自殺,救命救急センターにおける自殺企図者の実態,職場での自殺(過労自殺)を解説.
 ■自殺の予測と予防:自殺の危険因子は,心理的・社会的・生物学的な要素が入り組んだ多岐にわたるものである.まず最初に時代時代の社会状況・経済状況が挙げられる.本邦で言えばここ数年の経済不況,大規模なリストラ,再就職難等が,自殺衝動への引き金となっていることは否めない.もう一つの大きな要因としては精神疾患があり,9割方の自殺者が何らかの形での精神障害を持っている.とりわけうつ病の頻度は高く,うつ病研究が自殺のリスクファクターや予防の研究に大きなウエイトを占めている.これらの要素を踏まえ自殺予防の実践に力点を置いた解説がなされている.
 ■労災補償:不幸にして自殺既遂になった場合の労災補償の問題を取り上げた.厚生労働省の業務上外の判断指針も掲げる.        
 ■自殺と文学:自殺と深い関係にある文学について.

国立精神・神経センター国府台病院院長  樋口 輝彦 編集

B5判 312頁 図70 表70

定価(本体6,200円+税)

ISBN4-8159-1659-4
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