ISBN 4-8159-1582-2
書名 リウマチ病セミナーX
監修

七川 歡次(滋賀医科大学名誉教授)

目次
  • 炎症リウマチ
      痛風 1998
      高IgD症候群
      結合組織炎と肺罹患
      Felty症候群
      異型性RA
      JCA1998
  • 骨関節・脊椎・神 経
      甲状腺機能低下とリウマチ症状
      Guyon管とリウマチ症状,スポーツ障害
      こむら返りとその治療
      acromegalyのリウマチ症状
      靭帯のhyperlaxityと過度運動性症候群
      特発性大腿骨頭壊死症の治療
      糖尿病にみられるリウマチ関連疾患様症状
      糖尿病患者の足と手および骨
      リウマチ病の古病理学
      滑膜肉腫とfusion gene−どうして滑膜肉腫が発生するのか−
      肩甲上神経ノイロパチー
  • 検 査 法
      Herical scan,3D
      肩の診察
      血沈,CRPとリウマチ性疾患
      ストレスの生理学的測定法
  • 生物学的反応
      プロモクリプチンとソマトメジンC
      実験的リウマチ病とマウス
      Calcium-sensing receptor
  • 治療と副作用
      TNFαおよびIL-6阻害による
       慢性関節リウマチの新しい治療法
      慢性関節リウマチ患者の妊娠と出産
      慢性関節リウマチ治療におけるアポトーシスの制御
      求心路遮断性疼痛症候群
      骨粗鬆症における脊椎骨折と治療
      リウマチ性疾患に対する遺伝子治療
  • 手   術
      腰痛と椎間関節
      Jaccoud変形
      胸郭出口症候群の病態と治療
  • 索   引(X)
    総 索 引(I 〜X)
    DRUG INFORMATION
本体価格 定価(本体8,800円+税)
仕様 B5版 362頁 図131 表116

序 文
 またたく間に10年が過ぎて,第10回のリウマチ病セミナーの発刊に至ったことは,多少の感慨はあるが,何よりも執筆者各位のご好意とご協力の賜以外の何ものでもなく,衷心より感謝申し上げたい.
  今回も“systemic disease におけるリウマチ症状”のテーマを数多く取り上げた.甲状腺機能低下症とリウマチの訴えとの密接な関係はよく知られているが,最近の知見を加えて塩沢先生に余すところなく書いて戴いた.また極めて普遍的な疾患である糖尿病に見られる四肢合併症は多彩で重要な問題を呈する.そこでリウマチ病患者に日夜接するリウマチ医には不可欠の知識と思われるので,河盛教授に糖尿病の管理について,廣田,志水両先生には手,足,骨の合併症についてレビューしてもらったが,臨床に有用な論文ではないかと思う.その他,痛風の最近の研究の進歩について谷口先生を煩わした.またacromegaly,Felty 症候群,高IgD症候群については,牛山,安波,岡田の3先生にそれぞれ最近の知見を披露して戴いた.
 臨床にかかわる基礎的研究の進歩は相変わらず目覚ましく,プロモクロプチンとソマトメジンC,マウスにおける実験的リウマチ病,滑膜肉腫のfusion gene,calcium-sensing receptorと話題は多い.なお疫学的研究として,福田教授からは,わが国最初の縄文時代のRA骨の発見を含め示唆に富んだ論文を戴いた.
  脊椎関係の臨床研究の進歩が期待されているが,今回は腰痛と椎間関節,胸郭出口症候群の二つのテーマを取り上げた.中川,鷲見両先生にそれぞれご苦労をお掛けし,ここに厚く御礼申し上げたい.
  今回は治療面での興味ある論文が多い.抗INF抗体療法と抗IL-6レセプター抗体療法,RA妊娠患者の薬剤治療,RA治療におけるapoptosis,リウマチ病の遺伝子治療と,RAに関するものがほとんどで,いかにup dateの問題が多いかを示している.しかし,骨粗鬆症における脊椎骨折の治療や予防もそれに劣らず,あるいはそれ以上に重要な問題であることを認識しなければならない.
 来年の1月から,今後10年間,WHOの活動の優先課題として,<骨と関節の10年>のキャンペーンと,リウマチ病の基礎的研究のみならず,社会的対策や予防,治療研究の推進を図るということなので,わが意を得たということもあって,この方面におけるわが国の参加と貢献を強く期待している.
  最後にいつもながら一切のお世話を戴いている中川夫人に衷心より御礼申し上げたい.

リウマチ病セミナーX


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