序 文
小児ICUマニュアルの初版発行からすでに10年近く経過した.この間,年間30例程度の小児心血管外科手術を行う中規模施設としてスタートした我々のPICUも,手術件数が増え続け,年100例近くを数えるまでに発展してきた.そのような中で術前後の患児管理も複雑化し,PICU専従医と循環内科医,循環外科医とのチームワークが如何に大切であるかをあらためて実感している次第である.初版からの著者2名のうち,佐和貞治先生は現在,カリフォルニア大学サンフランシスコ校の麻酔科助手として活躍している.今回は米国医療との比較において貴重なアドバイスをしてもらった.また橋本は現在,こども病院に隣接した大学病院において主に成人を対象にしたICUで臨床を行っている.そこで今回の改訂では,現在小児ICUの現場で専従医として活躍している志馬伸朗先生と,手術を次々とこなされている気鋭の小児心血管外科医
,山岸正明先生のお二人を執筆陣に迎え,呼吸管理,術後管理をはじめとして全面的な書き直しを行った.網羅すべき事項が多い中で,極力ボリュームを絞り込むように腐心したが,欠落した部分についてはご容赦願いたい.できる限り中立的な立場での記述をと心がけたが十分とは言い難く,まだまだ改良すべき点も多々あると認識して
いる.ご批判も多々あろうが,次の改訂に向かってぜひ読者の皆様からのご示唆を仰ぎたい次第である.
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