序 文
大阪湾岸心臓会議(Bay Area Heart Conference)は,大阪湾岸地域という広大だが人的交流の盛んな文化圏を基盤として,年2回定期的に開催されている循環器疾患研究会である.本冊子は平成7年秋より平成10年春まで計8回にわたり同会議において発表された症例検討,研究発表および講義の集大成である.
同会議では各回ごとにテーマを決め症例検討や研究発表を行うが,討議は実戦的な内容を中心にすることをモットーとしている.またテーマに関しては,日常の緒研究会では採り上げられることの少ない,目立たない分野をも進んで話題とすることを心がけた.討議には原則としてexpertの臨席をあおぎコメントを頂いている.さらに会議の締め括りにはまとまった講義をしていただいているが,その内容は本冊子のspecial
lectureとしてまとめられている.
本冊子に提示された症例は,大阪湾岸地域の主だった第一線施設の選りすぐりであるため,医学的示唆に富むばかりでなく教科書的典型例のおおよそを網羅するものとなっている.またspecial
lectureの執筆者は第一線で活躍中のexpertの方々であり講義内容はきわめてup to dateなものと言うことができよう.本冊子が,循環器臨床を志す臨床医,医学生,医療従事者に広く役立つ書となることを期待している.
おわりに,ご多忙の中執筆いただいた諸先生方,また本冊子の監修をご快諾いただいた篠山重威(京都大学 教授),堀 正二(大阪大学 教授),横山 光宏(神戸大学
教授),吉川 純一(大阪市立大学 教授)の4教授に深謝する次第である.
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