ISBN 4-8159-1570-9
書名 実地医家のための慢性関節リウマチの診療
編著者名 橋本 博史(編著)(順天堂大学膠原病内科 教授)
目次
  • Overview
    慢性関節リウマチ 橋本 博史

  • 第1章 RAを疑うとき 齋藤 輝信
    I.どのようなときにRAを疑うか
    II.病歴のとり方
    III.身体所見のとり方

  • 第2章 検査の進め方
    I.一般検査,免疫血清学的検査 長澤 浩平
    II.X線検査を含む画像検査 川井 三香/井上 和彦
    III.関節液・関節鏡の検査 馬見塚 恭子/井上 和彦

  • 第3章 診断と鑑別診断
    I.RA(MRAを含む) 松本 美富士
    II.成人スチル病 大田 明英
    III.JRA(若年性関節リウマチ)  藤川 敏

  • 第4章 病態把握
    I.関節病変の活動性と重症度 西岡 淳一
    II.関節外症状の活動性と重症度 天野 宏一/竹内 勤

  • 第5章 RA の治療法とその評価
    I.治療の基本的考え方と治療目標,治療指針の立て方,患者教育 仲田 三平/山本 純己
    II.非ステロイド抗炎症薬の種類とその使い方 荒井 完 周/阿部 重人
    III.ステロイド薬の種類と使い方 西間木 友衛
    IV.抗リウマチ薬の種類と使い方 山名 征三
    V.免疫抑制薬の種類と使い方 佐川 昭/谷村 一秀
    VI.関節内注入療法とその手技 岡本 連三
    VII.体外循環療法の種類と適応 津田 裕士
    VIII.外科的治療とそのタイミング  松井 宣夫/荻久保 修/和栗 祐子
    IX.慢性関節リウマチのリハビリテーション 石原 義恕
    X.治療効果の評価とその時期 川合 眞一

  • 第6章 RA 治療の実際
    I.早期の治療 松田 剛正
    II.抗リウマチ薬の併用療法の実際 内田 詔爾
    III.高度の関節破壊・機能障害をみるRA の治療 永島 正一/吉野 槙一
    IV.関節外症状の治療 海老塚 岳彦/小林 茂人
    V.成人スチル病の治療 武井 正美/澤田 滋正
    VI.RA のオーバーラップ症候群の治療 江口 勝美/飛田 あゆみ
    VII.高齢者RA の治療 村澤 章
    VIII.JRA の治療 横田 俊平

  • 第7章 RA の自然経過と転帰・予後 三井 弘
    1.自然経過による分類
    2.予後を悪化させると考えられる要因
    3.RA の生命の予後

  • 第8章 合併症の対応と対策 山田 昭夫
     1.慢性関節リウマチの合併症の種類
     2.慢性関節リウマチの合併症の対策

  • 第9章 RA 患者の日常生活指導と管理 勝部 定信/比嘉 邦雄
    1.患者の悩みと希望
    2.医師の状況と困惑
    3.RA の治療目標・治療指針と日常生活
    4.日常生活指導と管理の実際

  • 第10章 開業医から専門医に紹介するタイミング 勝呂 徹
    1.慢性関節リウマチの病型
    2.関節炎の病勢判断
    3.専門医への紹介時期

  • 第11章 身体障害者手帳の取得と特定疾患認定の手続き 林 泰史
    1.身体障害者手帳の取得と援助
    2.特定疾患認定の手続き

  • 第12章 最近の話題と解説
    I.RA の発症機序と関節破壊機序 宮坂 信之
    II.HLA クラスII 遺伝子とRA の重傷度 戸田 佳孝/竹村 清介/小川 亮
    III.COX-2インヒビター 林 徹
    IV.新しい免疫抑制薬 原 まさ子
    V.RA の新しい治療 宮崎 吉孝/山本 一彦
    VI.ACR によるRA の治療ガイドライン 近藤 啓文
    VII.ACR より提唱されたステロイドによる骨粗鬆症の予防・治療に関するガイドライン 飯田 昇

  • 索  引 265
本体価格 8,000円
仕様 B5判 264頁/図113(カラー5)/表90

 リウマチ科の標榜が実施されてから2年余り経ちましたが,慢性関節リウマチ(RA)はリウマチ科を標榜するリウマチ医にとって最もよく遭遇する疾患であります.現在,日本におけるRAの患者数は70万人とも100 万人ともいわれていますが,リウマチ白書によれば,発病後10年で日常生活動作の遂行能が30%失われ,20〜30年で50%失われるとされています.発症後の生活の質(QOL) も著しく阻害され,その代表的な疾患ともいえます.また,生存余命も一般の人に比べ低いことが指摘されています.  一方においては,昨今の著しい医学の進歩に伴いRAの病態発症機序が次第に明らかにされ,それに伴う治療法の発展にもめざましいものがあります.これらの進歩が臨床へ還元されることにより更なるQOL や予後の改善が期待されます.したがって,RAの診療にあたっては,最新の医療情報と手法をもとに,目の前の患者の病態を正しく理解し,適切な治療の選択を行い,日常生活動作や社会復帰を含むQOL の向上が図らなければなりません.また,RAの類縁疾患には数多くのリウマチ性疾患があげられ,早期診断にあたっては的確な鑑別診断とその対応が要求されます.  
  本書は,上記のニーズに対応すべく企画され編纂したものです.RAを疑うとから始まり,その診断のアプローチ,鑑別すべき疾患とその鑑別点,病態の把握,治療の基本的考え方と病態に応じた治療法の選択,治療の実践,治療効果の評価,経過中予測される合併症とその対策,日常生活指導,さらには専門医へ紹介するタイミングなどを網羅しました.また,最近の話題についても解説を加えさせていただきました.  
  本書では,リウマチ診療の第一線でご活躍されておられる先生方にご執筆をお願い致しましたが,各先生方には企画にご賛同いただき,快くご執筆いただきましたこと厚く御礼申し上げます.  
  本書が,リウマチ登録医,リウマチ認定医,リウマチ科を標榜するリウマチ医のみならず,これからリウマチ医を目指す医師やRA患者の医療に携わっておられる方々など,一人でも多くの方々の目に触れていただき,日常診療に活用していただければ幸いに存じます.  
  リウマチ学の分野では,21世紀に向けて更なる飛躍が期待されています.本書もリウマチ学の進歩に伴い改訂される可能性を含んでいます.また,浅学のため意図するところが編集に十分に反映されていない面も多々あるかと思いますが,今後に向けて読者の皆様の忌憚のないご批判,ご助言をいただければ幸甚に存じます.

実地医家のための慢性関節リウマチの診療


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