ISBN 4-8159-1560-1
書名 老年期痴呆への対応
編著者名 大友 英一 浴風会病院 院長
目次

I.老年期痴呆とは

  1. 痴呆Dementiaとは
  2. 加齢に伴う認識能の低下
  3. 老年期痴呆の種類

II.老年期痴呆の診断

  1. 痴呆の診断
  2. 痴呆の診断基準
    [診断基準]1.Alzheimer型痴呆/2.血管性痴呆/3.他の一般身体疾患による痴呆 [カリフォルニアの Alzheimer 病診断・治療センターの診断基準 ]
  3. 痴呆の臨床症状
    1)記銘力・記憶力障害/2)見当識障害/3)計算力障害/4)感情障害/5)思考力障害/6)行動障害
  4. 痴呆診断の実際
    1)初診におけるポイント/2)再診以後のポイント/3)痴呆診断上のポイント
  5. 痴呆の種類の鑑別
    1)一般的鑑別/2)虚血点数法/3)虚血点数法の修正法/4)天秤法/5)まとめ
  6. 痴呆の検査
    1)老年期痴呆例の一般的CT所見/2)脳血管性痴呆とAlzheimer型老年期痴呆とのCT上の鑑別/3)脳波/4)その他の検査
  7. 痴呆のテスト
    1)長谷川の簡易知的機能診査改訂スケール/2)Mini-Mental State Examination(MMSE)/3)GBSスケール/4)MENFIS/5)ADAS/6)痴呆の程度の評価
  8. 老年期痴呆の鑑別診断
    1)痴呆を示す疾患/2)鑑別を要する主な疾患

III.老年期痴呆の治療

  1. 患者への対応
  2. 環境の調整
  3. 生活管理
  4. 薬物治療
    1)向精神薬/2)Tiapride/3)脳代謝改善薬,脳循環改善薬/4)漢方療法

IV.老年期痴呆の経過,予後

V.老年期痴呆の予防

  1. 脳血管性痴呆の予防
    1)高血圧,高脂血症のコントロール /2)脳動脈硬化に影響を与える因子 /3)肥満,糖尿病の予防,治療/4)脳血管障害の予防 /5)脳卒中後の痴呆の予防 /6)高血圧と脳の動脈硬化 /7)脳血管性痴呆および Alzheimer型老年痴呆の脳血流の相違/8)脳循環代謝改善薬による痴呆予防の試み
  2. Alzheimer型老年痴呆の予防
    [老化,痴呆を防ぐ脳の使い方 ]
    追記:1.N式老年者用精神状態評価尺度
       2.N式老年者用日常生活動作能力評価尺度
       3.Nicergolin
本体価格 8,000円
仕様 B5版 215頁/105図/64表
序文
 本書の刊行後,約13年が経過した.この間,老齢人口の増加とともに,老年期痴呆も増加しつつあり,ぼけ予防財団が「ぼけ予防10カ条」を作成,発表するなど,この疾患に対する社会の関心は高い.近々実施が予定されている介護保険においても,老年期痴呆が,とくにその重症度判定上大きな問題をはらんでいる.
 老年期痴呆の増加のほかに,痴呆の型の割合も変化を示し,わが国で多数派であった脳血管性痴呆は減少傾向を示し,逆にアルツハイマー型老年痴呆の割合が大となるとともに,これとは異なる変性性痴呆,Lewy 小体型が稀ではないことがわかりつつあり,これについて記述した.
 また,痴呆の成因として Apolipo 蛋白,Amyloido β蛋白などが問題となっており,これについて論じた.また,検査法として Mini-Mental State Examination(MMSE),Alzheimer Disease Assessment Scale(ADAS)などを加え,また著者が命名した痴呆の Blickdiagnose に役立つ症候群,さらにぼけ予測テストも述べた.
 本書が,痴呆の診療に役立つことを祈念するものである.
老年期痴呆への対応


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