ISBN 4-8159-1555-5
書名 イラストで見る PTCA 手技 (CD-ROM付)
編著者名 南都 伸介 関西労災病院循環器科 部長
イラスト 大原 知樹 関西労災病院循環器科 副部長
目次 1.PTCAを施行する場合に必要な基本システムの概要
  1. 旧式なPTCAシステム
  2. PTCAシステムの基本形
2.ガイディングカテーテル
  1. ガイディングカテーテルの種類と選択
    <Mini advice>側孔の作り方/お勧めのガイディングカテーテル

  2. ガイディングカテーテルの挿入
    <Mini advice>蛇行の強い腸骨動脈内でのガイディングカテーテル操作/カテーテルが血管内で捻れた場合の対処法/後上方へ偏位した左冠動脈入口部へのガイディングカテーテルのエゲージ方法/ドライヤーを利用したガイディングカテーテル形成方法/カテーテル操作ではエンゲージできない場合/お勧めの左冠動脈用ガイディングカテーテル/右冠動脈病変で強力なバックアップを必要とする場合のガイディングカテーテルの選択と使用方法
3.ガイドワイヤー
  1. ガイドワイヤーの種類と選択
    <Mini advice>ガイドワイヤーのレントゲン不透過性

  2. ガイドワイヤーの準備
    <Mini advice>pre-shapingの方法

  3. ガイドワイヤーの基本操作
    <Mini advice>標的病変通過後のワイヤーの位置

  4. 左冠動脈前下行枝に特異的なガイドワイヤーの操作法
    <Mini advice>左前下行枝への挿入が非常に難しい場合のpre-shaping

  5. 左冠動脈回旋枝に特異的なガイドワイヤーの操作法
    <Mini advice>左前下行枝への挿入が非常に難しい場合のpre-shaping

  6. 右冠動脈に特異的なガイドワイヤーの操作法
  7. 病変形態によるワイヤー操作の差異
4.バルーンカテーテルの選択と基本操作
  1. バルーンカテーテルの構造
    <Mini advice>コンプライアントバルーンとノンコンプライアントバルーン/passability, trackability andcrossability/バルーンカテーテルの選択

  2. バルーンカテーテルの準備
    <Mini advice>三方活栓を利用した空気抜き

  3. 病変通過時(lesion cross over)のバルーンカテーテル操作
    <Mini advice>バルーン通過困難例での対応

  4. 病変の拡張時のバルーンカテーテルの操作
    <Mini advice>バルーン開大時のバルーン位置の補正/バルーン開大時の注意点

  5. 拡張性の判定と確認造影
    <Mini advice>バルーン破裂
5.バルーンカテーテル交換法
  1. ガイドワイヤーの歴史的背景
  2. ワイヤーを延長して交換する方法
    <Mini advice>ガイドワイヤーの延長方法/バルーンカテーテルの簡易再挿入法

  3. ロングワイヤーを用いる方法
  4. ショートワイヤーを用いたバルーンカテーテル交換方法(南部法)
    <Mini advice>南部法(南部抜き)/横井法
6.前下行枝病変
  1. 症例の選択
  2. ガイディングカテーテルの選択
  3. バルーンカテーテルの選択
  4. ガイディングカテーテルの冠動脈入口部への挿入(エンゲージ)の仕方
    <Mini advice>左冠動脈にエンゲージ困難な場合/ガイディングカテーテルの選択

  5. 対照造影
    <Mini advice>主幹部病変の確認

  6. ガイドワイヤーの挿入
    <Mini advice>前下行枝の誘導が困難な場合/ワイヤー先端の位置

  7. バルーンカテーテル挿入
    <Mini advice>バルーンカテーテルの病変通過が困難な場合/バルーン開大時のカテーテルの位置

  8. PTCA確認造影
7.回旋枝病変
  1. システムの選択
  2. ジャドキンス型ガイディングカテーテルの操作法
  3. アンプラッツ型ガイディングカテーテルの操作法
    <Mini advice>カテーテルのサイズの決定/アンプラッツ型ガイディングカテーテルの操作上の注意点

  4. 特殊なガイディングカテーテル
  5. 対照造影
    <Mini advice>主幹部病変への留意

  6. ガイドワイヤーの挿入
    <Mini advice>ガイドワイヤーの挿入が非常に困難である場合/病変が高側枝(high lateral branch)へのワイヤー挿入/前下行枝へワイヤーの近位部が流れる場合/ワイヤーが目的の枝の方向を向きにくい場合

  7. バルーン挿入
    <Mini advice>バルーン挿入困難例/バルーン開大時の注意点
8.右冠動脈病変
  1. システムの選択
  2. ガイディングカテーテルの操作法
    <Mini advice>側孔のないガイドカテーテルの使い方/アンプラッツ型ガイディングカテーテル操作上の注意点

  3. 対照造影
  4. ガイドワイヤーの挿入
  5. バルーン挿入
    <Mini advice>バルーン挿入困難例/右冠動脈入口部狭窄
9.分岐部病変とKissing technique
  1. Kissing balloon techniqueの種類
  2. Kissing balloon technique原法(double-guide, double-balloon法)
  3. Single-guide, Two-wire法
    <Mini advice>分岐部の側枝閉塞予防法

  4. Single-guide, Two-wire法を用いた交互拡張法
    <Mini advice>Single-guide, Two-wireを用いた同時拡張法
10.完全閉塞病変(CTO)
  1. 冠動脈造影からみた病変の難易度
    <Mini advice>機能的閉塞病変に対するワイヤーの選択

  2. システムの選択
  3. 左右冠動脈同時造影
    <Mini advice>対側造影

  4. ガイドワイヤーの操作
    <Mini advice>ガイドワイヤーが結節を形成した場合/硬いワイヤー/回旋枝近位部完全閉塞病変/切り株状閉塞病変/分岐部閉塞病変/ワイヤーが病変にトラップされた場合

  5. 病変通過後のワイヤー先端の確認
    <Mini advice>先端造影/スタンダードワイヤーで真腔を捕捉しにくい場合

  6. バルーンカテーテルの操作
  7. ガイディングカテーテルの変更
    <Mini advice>完全閉塞病変のfollow up
11.急性心筋梗塞に対するPTCA
  1. 冠動脈造影の読み方
    <Mini advice>血栓の豊富な病変

  2. ガイドワイヤーの操作
    <Mini advice>ワイヤーの持ち方

  3. バルーンカテーテルの操作
    <Mini advice>急性冠閉塞/no-reflow現象
12.モノレールバルーンカテーテル
  1. モノレールバルーンカテーテルの構造
  2. モノレールバルーンカテーテルの準備手順
  3. モノレールバルーンカテーテルの操作
    <Mini advice>ガイドワイヤーの拭き方/モノレールバルーンカテーテル挿入中のワイヤー操作

  4. モノレールバルーンカテーテルを第一選択とする場合
    <Mini advice>モノレールバルーンカテーテルの長所
13.自己灌流型バルーンカテーテル
  1. カテーテルの構造
  2. 操作方法
    <Mini advice>バルーン開大圧

  3. 確認造影
14.冠動脈内ステント
  1. パルマッツシャッツステントTM
    <Mini advice>アコーディング効果/パルマッツシャッツステント挿入困難な場合/保護シースが動きにくい場合/保護シース抜去後のステントが病変近位側へ移動した場合/保護シース抜去後のステントが病変遠位側へ移動した場合/ステントによるバルーン破裂/Abhyankarのステント乗せ替え法

  2. ウィクターステントTM
    <Mini advice>ウィクターステント挿入困難な場合/ウィクターステント拡張圧/分岐部病変に対するウィクターステント/カニューラを使用したウィクターステント乗せ替え法/ステント回収の至適位置/ステント回収:スネア法とtwo wire法
15.カッティングバルーン

16.冠動脈アテレクトミー
  1. DCA時の必要物品
  2. アテレクトミーカテーテルの準備とセットアップ
  3. ガイディングカテーテルの挿入
    <Mini advice>10Fr.ガイディングカテーテルエンゲージのコツ

  4. アテレクトミーカテーテルの冠動脈内への挿入
    <Mini advice>ガイドワイヤーをカッターに挿入する際のコツ/前拡張を行わないでアテレクトミーを行う場合

  5. 狭窄病変の切除
    <Mini advice>アテレクトミーのカッターは確実にハウジングの先端まで進める /アテレクトミー時の役割分担/アテレクトミーのカッターの回転が不調である場合/アテレクトミーのノーズコーンが満杯となった場合

  6. アテレクトミーカテーテルの抜去
  7. 病変組織の回収
  8. アテレクトミーシステムの再挿入
  9. ガイディングカテーテルの回収
17.ロータブレーター
  1. ロータブレーター装置
  2. コンソールの主な特徴および機能
  3. 手技
    <Mini advice>バーサイズの選択/アドバンサーの取り出し方/カクテルの組成 /アドバンサーからカクテルがしみだしてもよい/自動ブレーキ/止血弁/ガイドワイヤー/アブレーション中の回転数/シースを前進させることによって回転しているバーを前進させない/slow flowを防ぐためのアブレーション中のバーの操作/アブレーション中の冠攣縮の対策/ダイナグライドモード
18.経皮的血管縫合器
  1. 器具の概要
  2. 操作方法
    <Mini advice>挿入時に抵抗のある場合/適切な逆血(マーキング)が認められない場合/縫合針の引き出しが困難な場合
19.PTCA前後の薬物療法
  1. 術前投薬
  2. PTCA術中投薬
  3. 術後投与
  4. 慢性期の薬物療法
20.ディスパッチカテーテル
  1. 構造
  2. 準備方法
    <Mini advice>ディスパッチカテーテルのエア抜き/ディスパッチカテーテルの病変への挿入/薬液
21.TECアテレクトミー
  1. 装置の準備
  2. 操作手順
    <Mini advice>スライダーを左方向に完全に移動させても,カッターカテーテル先端が病変部を通過していない場合
    <Mini advice>ガイドワイヤーの位置補正
22.ワイヤー型ドプラ血流計
  1. 機器構成
  2. 準備方法
  3. 使用方法
  4. FloWireによる計測指標
23.血管内超音波法
  1. 構造
  2. 準備
  3. 狭窄率の測定方法
24.PTCAの合併症とその対策
  1. バルーン開大時の虚血による合併症
  2. 急性冠閉塞
  3. バルーン破裂
  4. ステント脱落
  5. 出血
25.PTCAの適応
  1. PTCAによる虚血性心疾患治療の現況
  2. PTCA適応の変遷
  3. 一般的な適応の考え方 スペック表
索引
本体価格 8,500円
序文
 今や PTCA は虚血性心疾患治療の大きな要であるが,Gruntzig によって報告された当初は,適応症例は限定され,術者は一部のスーパースターに限られていた.その後,めざましいシステムの発達により,わが国でも年間約十万人弱に施行されるに至っている.今後さらに症例数は増加すると思われ,多くの熟達した PTCA の術者が必要となろう.
 本書は,これから PTCA を始めようとしている先生方や,まだ数十例の経験しかお持ちでない先生方に PTCA の実技に関して細やかな情報を提供するためのものである.少なくとも冠動脈造影検査は,数百例の経験があると考え,冠動脈造影法に関する手技や装置に関する情報は他の書物に譲ることにし,経皮的冠動脈形成術の実技の解説を主体とし,イラストを多用することによって目で見て理解していただくよう工夫した.
イラストで見る PTCA 手技


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