ISBN | 4-8159-1543-1 |
書名 | 産褥の管理 <今日の治療> |
編著者名 | 荒 木 勤 日本医科大学教授 編著 |
主要目次 | 第1章 正常分娩後の産褥管理
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本体価格 | 8,500円 |
仕様 | B5判 194頁 87図 73表 |
序文 産褥(puerperium)とは,妊娠・分娩に伴う性器や母体の生理的変化が後産娩出直後より避妊時の状態にまで回復するに要する期間をいう.その期間は一般的には6週間である. 産褥の間,正常褥婦においては異常が発生しないよう管理することが重要である.また,母子にとって好ましくない異常が発生した場合は,初期の段階でその異常を発見し,適切な処置を行うことが重要である. さらに,次回の妊娠・分娩を正常で,より安全なものとするためにも,より良い産褥を褥婦が過ごせるようにしなくてはならない. それでは,産褥のより良い褥婦管理とは何か.母体の復古過程の円滑な移行のためには,分娩直後からの母体の身体的管理はもちろん最重要課題ではあるが,精神的管理も無視できない.とくに,産褥期には,いわゆるマタニティーブルーズ症候群と呼ばれる程度の比較的軽い一過性の感情不安定状態が起こることもある.また,産褥精神病と呼ばれる程度の比較的重い精神不安定な状態も現れることもある.肉体的にも,精神的にも健康な産褥期間であってこそ,良好な母子関係が確立されてくる.より良き母子相互作用確率のためには,この産褥期間が何よりもまして一日一日の産褥の過ごし方が重要といえよう.そのためにも,もう一度産褥の生理的な変化を十分脳裏に刻み込み,それから逸れる異常病態を把握しながら,適切な処置や生活指導を行うことが要求される. 出産という大きな仕事を終えた後の爽やかな満足感に満ち足りた女性をみるのは,産婦人科に従事するものにとっても素晴らしく美しいものである.このために,最新あるいはますます注目されている正しい産褥のあり方に目を向けながら,本書を編纂してみた.明日からの産科臨床にお役にたてば幸いである. | |
産褥の管理 <今日の治療> |