ISBN 4-8159-1541-5
書名 小児のアレルギー疾患 <今日の治療>
編著者名 古川  漸 山口大学教授 編著
主要目次 I. アレルギー疾患の病因・病態
    1.アレルギー反応/2.アレルギーと遺伝/3.アレルゲン/4.非アレルギー性環境因子/5.心理的因子/6.アレルギーの予知管理
II. アレルギー疾患の診断・治療・管理
    1.IgE 抗体の検出/2.肺機能の評価/3.吸入抗原の除去/4.治療薬の薬理/5.免疫療法/6.患者教育
III.アナフィキラシーと全身的な反応
    1.アナフィキラシー/2.薬物アレルギー/3.ラテックスアレルギー/4.ワクチンの副作用
IV.気管支喘息
    1.喘息/2.疫学・病歴・診断/3.治療とその評価/4.予後/5.運動誘発喘息(EIA)/6.アスピリン喘息(AIA)/7.喘息児の手術管理
V.慢性肺疾患
    1.過敏性肺臓炎/2.アレルギー性気管支肺アルペルギルス症
VI.皮膚疾患
    1.アトピー性皮膚炎/2.接触皮膚炎/3.蕁麻疹, 血管運動性浮腫
VII.食物アレルギー
    1.臨床像,診断/2.治療と予後
VIII.鼻アレルギー

IX. アトピーと眼疾患

X. 消化管アレルギー

索  引
本体価格 13,000円
仕様 B5判 338頁 82図 83表
序文
 英国ではアレルギー診療に携わるスタッフと受診者向けに「Good Allergy Practice」なるガイドラインが出版されている.このガイドラインではアレルギーが拡大解釈されている点を指摘している.自分の訴えがアレルギーを背景として生じてきていると確信している患者が多いことである.例えばうつ病のような病気が実際にあっても,精神医学的治療を受けることを好まず,この症状はアレルギーに由来していると信じて疑わない患者群が存在することである.また,食物アレルギーについても議論の多いところである.特にかゆみなどは心理的な因子の影響を受けやすいことは周知の事実である.疑わしいと感じている食物をみたことから心理的な反応が生じていては,患児も母親もまた医師ですら正確な評価・診断はなされないであろう.さらに「Good Allergy Practice」では“alternaitve allergy”が取り上げられている.これは直訳すれば“別のアレルギー”となるが,解りやすく言えば独自のアレルギーという意味である.多くの人々,また医師自身でさえも客観的な試験に基づかずアレルギーと診断し治療することである.この“別のアレルギー”によるアレルギーの診断・治療法はしばしば報道機関に好まれ,社会問題となっている.この点については日本だけでなく世界的な傾向のようである.
 この度“今日の治療”シリーズで小児のアレルギー疾患を取り上げていただくことになったことは,このような意味から実にタイムリーであった.本書では総論部門としてアレルギー疾患の病因・病態,アレルギー疾患の診断・治療・管理を取り上げた.既出の書にはない新たな項目を加えた斬新な構成とした.基礎的事項については出来る限り解りやすく解説していただいた.各論の臨床分野では,アナフィラキシーと全身的な反応,気管支喘息,慢性肺疾患,皮膚疾患,食物アレルギー,鼻アレルギー,アトピーと眼疾患および消化管アレルギーを取り上げ,一般臨床医が臨床の場で実践出来る内容としていただいた.
 執筆にあたっては,実際に多くのアレルギー疾患児を診ておられる第一線で活躍中の小児科医はもとより,内科医,皮膚科医,耳鼻咽喉科医および眼科医の協力を得て,最新の知識を盛り込んでいただいたので,読者の皆様には満足していただけるものと信じている.
小児のアレルギー疾患 <今日の治療>


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