ISBN 4-8159-1536-9
書名 小児期の悪性固形腫瘍 系統的治療を中心に <今日の治療>
編著者名 山本 正生 日本医科大学教授 編著
主要目次 I.わが国における小児期悪性固形腫瘍の概観

II.診断総論
  1. 早期発見のために
  2. 画像診断
  3. 血清診断(腫瘍マーカー)
  4. 遺伝子診断
III.治療総論
  1. 家族と患児へのインフォームド・コンセント
  2. 放射線療法の適応について
  3. 免疫療法
  4. 合併感染症に対する抗生剤の選択
  5. 顆粒球減少に対するサイトカイン療法
  6. 輸血
  7. 骨髄移植
  8. ターミナルケアと緩和的治療
IV.治療各論
  1. 脳腫瘍
  2. 網膜芽細胞腫
  3. 神経芽細胞
  4. Ewing 肉腫,Primitve
  5. 横紋筋肉腫
  6. 骨肉腫
  7. ウイルムス腫瘍
  8. 奇形腫群膿瘍
  9. 肝腫瘍
  10. 小児にみられる成人型癌
V. 小児がん患者の管理と生活向上
  1. 悪性固形腫瘍患児の晩期障害
  2. 患児の「Quality of life 」管理
索引
本体価格 14,000円
仕様 B5判 345頁 115図 86表
序文
 小児期の悪性固形腫瘍は成人に比してその発生頻度は少ないが,家族発生,染色体異常,種々な奇形の合併,身体発育異常の併発などを認めることが多く,発癌機序,病態は成人の腫瘍とは異なった特性をもつことが推察されていた.最近の分子生物学とりわけ発癌遺伝子に関する研究の進歩は著しく,小児期悪性固形腫瘍の領域でも,網膜芽細胞腫,Wilms 腫瘍などで発癌機構の解明が進みつつあり,その発展が期待されている.
 固形腫瘍の診断は,形態学,免疫学,細胞化学,細胞遺伝学,血清生化学などの基礎的診断手法に加えて,放射線診断,超音波診断が不可欠である.治療面では,その多くを小児外科の協力に依らねばならないことは言うまでもないが,小児内科領域でも術前・術後の一般状態の管理,系統的化学療法,放射線療法に加えて,造血幹細胞移植,各種サイトカインの治療面での応用が,小児期悪性腫瘍の治療に欠かせないものとなりつつある.
 また近年,初発の癌が治癒したものに最も深刻な二次癌の発生を含め,種々の後遺症すなわち晩期障害の存在が惹起され,医学的・社会的対応が現実のものとなりつつある.
 本書では,小児期の悪性固形腫瘍に対する系統的化学療法を中心に,発生頻度,発癌機序,病態,臨床像,診断,治療,治療成績,予後,晩期障害,社会的問題などについて新しい視点からの解説を試みた.執筆者は小児の悪性腫瘍学の第一線で活躍されている方々で,それぞれの分野の専門家である.
 本書が研修医,一般臨床家にとって小児期の悪性固形腫瘍を理解し,診療の指針としての一助となれば幸いである.
小児期の悪性固形腫瘍 系統的治療を中心に <今日の治療>


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